
上野公園にある国立科学博物館には、新館にあたる「地球館」の地下3階に「自然の仕組みを探る」という展示コーナーがあり、科学と技術の歩みが紹介されています。
そこでは自然科学分野のノーベル賞受賞者の業績の解説や、ノートやメモ書きの一部が展示されています。物理学賞、化学賞、生理学・医学賞を受賞した人たちです。


日本人として初めてノーベル賞を受賞した湯川秀樹さんが最初に登場し、スーパーカミオカンデの小柴昌俊さんやトンネルダイオードの江崎玲於奈さん、iPS細胞の山中伸弥さんの業績も説明されています。
そして、今年(2025年)ノーベル賞を受賞した坂口志文さんと北川進さんは入口近くに案内板が設けられ、来館者に紹介されていました。お二人もいずれこの展示コーナーに加わることになるのだろうと思います。


国立科学博物館では年4回、情報誌『milsil(ミルシル)』を発行しています。milsil 2016年1月号(通巻49号)には、今回ノーベル生理学・医学賞を受賞した坂口志文さんのインタビュー記事が掲載され、その抜粋版がコーナー入り口の案内板で紹介されていました。記事を読むとノーベル賞受賞のテーマとなった「制御系T細胞」について約10年前から注目されていたことがわかります。当時から基礎研究として紹介されていた内容が、今回の受賞につながったことを感じさせます。

(2025年10月12日)