東京都葛飾区は東京都の東部に位置し、その中でも柴又は千葉県松戸市との境を流れる江戸川に近い場所にあり、柴又帝釈天がよく知られています。帝釈天と参道の商店街は映画『男はつらいよ』シリーズのロケ地として有名で、撮影当時の雰囲気を楽しもうと日本国内からたくさんの人たちが集まってきます。最近では海外からの観光客もその昔ながらの街並みを求めてやってきます。
『男はつらいよ』の山田洋次監督は昨年2025年には新作映画『東京タクシー』を制作しました。高齢の女性を乗せたタクシーが彼女の思い出の場所を巡りながら目的地へ向かうストーリーで、『男はつらいよ』で寅さんの妹さくらを演じた倍賞千恵子が高齢女性のすみれ役を務めました。そして、木村拓哉が運転するタクシーと待ち合わせていたのが帝釈天の二天門の前だったという点でも象徴的な場所です。

その二天門をくぐって帝釈天の境内に入ると、正面に帝釈堂があり、参拝者が行列を作っています。向かって左側には水が湧き出る「御神水」があり、帝釈堂近くに生えている「瑞龍(ずいりゅう)のまつ」の枝が御神水のあたりまで伸びている様子が印象的です。この瑞龍のまつは東京都が指定する天然記念物となっています。
境内の右側には本堂があり、帝釈堂に入るには本堂の入口から回り込む形になります。有料になりますが、帝釈堂の裏には彫刻ギャラリーや日本庭園の邃渓園(すいけいえん)があります。

最寄り駅である京成電鉄・柴又駅から柴又帝釈天までの参道には商店が並び、その中に草団子で知られる「とらや」があります。ここは『男はつらいよ』の舞台の一つでもあり、撮影時には監督や出演者の休憩所として使われたこともあるお店です。店内には映画のポスターなども貼られ、当時の雰囲気を感じることができます。

京成電鉄の柴又駅は、京成金町線のたった一つの途中駅です。京成金町線は、京成電鉄の最主要駅である京成高砂駅と、JR常磐線の金町駅を結ぶ約2.5キロメートルの短い単線の路線で、柴又帝釈天への参拝客に多く利用されています。日中は1時間に4往復しか走らないのですが、それでも多くの人がこの駅を行き交います。駅前には映画に登場する寅さんと、心配そうに見送る妹・さくらの銅像も建てられています。また参道は少しずつ曲がりながら帝釈天に向かっています。帝釈天直前の曲がり角では、視界が開けるように二天門が急に現れるため、ここも一つの撮影ポイントになっています。




(2026年1月27日、取材は2025年12月)