GINZA SIX – Julian Opie – Marathon. Women.

GINZA SIX は、その名前が示しているように、東京・銀座の銀座6丁目に位置する複合施設です。ショップやレストランだけでなく、屋上は公園として整備され、地下には能の舞台も設けられています。

銀座のメインストリートである中央通りに面した入口から館内に入り、エレベーターで2階へ上がると、建物の中央部分に5階まで吹き抜けとなった大きな空間が現れます。ここは GINZA SIX を象徴する場所で、その周囲には有名ファッションブランドの店舗が並んでいます。

この吹き抜け空間は、アート作品を天井から吊り下げて展示する仕掛けになっています。GINZA SIX が開業した2017年4月から約1年間は、草間彌生の《南瓜(かぼちゃ)》が展示されていました。その南瓜は白地に大きな赤い斑点が描かれた南瓜のモチーフが、いくつも天井近くに浮かぶように設置されており、その光景はいまでも強く印象に残っています。

アートギャラリーとも言えるこの空間には、現在、デジタルスクリーンが設置され、そこにカラフルな人物が走っているアニメのような画像が映し出されています。

GINZA SIX の吹き抜けを上から見ると、長方形の短辺部分にエスカレーターが配置され、反対側から眺めると、パリ7区にある老舗デパート、ボン・マルシェ(Le Bon Marché Rive Gauche)を思い起こさせます。共用部分のインテリアデザインは、フランス出身で東京にデザインスタジオ「キュリオシティ(CURIOSITY)」を設立したグエナエル・ニコラ(Gwenael Nicolas)氏が担当しており、フランスのデパートを想起させる空間構成にも納得できます。

そして現在、この吹き抜け部分で展示されているのが、人が走る姿を映像として表現した作品です。複数のカラフルな色が用いられ、人物は一人ずつ単色の太い線で描かれています。その特徴的な描写を目にすると、ある現代アーティストの名前が自然と思い浮かびます。

それが、イギリスの現代アーティスト、ジュリアン・オピー(Julian Opie、1966〜)で、この動画作品のタイトルは《Marathon.Women.》です。

ジュリアン・オピーは、2021年3月に渋谷駅東口のJR出口とバス乗り場が交差する広場にある排気口の壁に、人々が歩く姿を描いた作品を発表しています。GMOの提供によって制作された《Night City》です。壁面に描かれる作品というとグラフィティを連想しがちですが、この作品はそのきれいな仕上がりから、明らかに芸術作品として受け取られていました。

そのジュリアン・オピーの作品が、GINZA SIX の吹き抜けという、高級ブランドが立ち並ぶ象徴的な空間で展開されていることは、強く印象に残ります。

(2026年1月31日)