ANA系列のエアージャパン 11月20日から成田-シンガポール線を1日1往復へ増便

 ANAグループの中距離国際線ブランド AirJapan(エアージャパン)は、成田-シンガポール線を現在の週5往復から毎日運航の週7往復へ増便します。海外からのインバウンド(訪日)需要が依然として強く、追加導入したボーイング787型機を投入し、11月20日から実質的に1日1往復体制に移行します。AirJapan は2026年3月をもってANAへブランド集約される予定で、今回の増便は移行後にANAの成田-シンガポール線を1日2往復体制へスムーズに移行する布石にもなります。

AirJapan 成田-シンガポール線の増便

 ANA系列の中距離国際線航空会社である AirJapanは、成田-シンガポール線を増便します。
 ボーイング787の3号機を導入し、現在の週5往復を1日1往復(週7往復)体制とします。増便となるのは成田発が火・水曜、シンガポール発が水・木曜の便で、11月20日から毎日運航に移行します。

 AirJapan は ANA、Peach に続く ANA グループの3番目のブランドで、中距離国際線を担う航空会社としてスタートしました。
 2024年2月9日成田-バンコク線、同年2月22日成田-ソウル線、同年4月26日成田-シンガポール線を順次開設し、現在3路線を運航しています。

 しかし、今年2025年10月30日に AirJapan ブランドを ANA に集約する方針が発表され、AirJapan としての運航は来年2026年3月28日(シンガポール発は3月29日)までとなります。

 現在、ANAのシンガポール線は羽田発が1日2往復、成田発が1日1往復です。AirJapan の成田-シンガポール線を1日1往復とすることで、ブランド集約後にANAの成田発を1日2往復へスムーズに移行できる体制が整います。

Peach は昨年、関西-シンガポール線を就航

 同じANA系列のPeach Aviation(ピーチアビエーション)は前年2024年12月4日に大阪(関西)-シンガポール線を就航し、1日1往復で運航しています。Peach によると、同路線は日本の航空会社としては14年ぶりということです。
 今回のAirJapanの増便により、ANA系列のシンガポール線は

  ・東京(羽田・成田)= 1日4往復

  ・大阪(関西)= 1日1往復

となり、全体で計1日5往復体制を維持することになります。

AirJapan のバンコク線、ソウル線

 AirJapan は成田を拠点にシンガポール線のほかにバンコク線、ソウル線をそれぞれ1日1往復を運航しています。一方、ANAは成田-バンコク線を1日1往復飛ばしており、2026年3月末以降も現在の運航体制が続き、ブランド統合後にAirJapanの路線をそのまま引き継いだ場合、ANAの成田-バンコク線は1日2往復体制となります。ANA系列全体で日本とバンコクを結ぶ路線はANAの羽田-バンコク線、Peachの関西-バンコク線を合わせて1日6往復です。

 ANAは、東京とソウルを結ぶ路線として羽田-ソウル(金浦)線を1日3往復運航していますが、成田発はありません。ブランド統合後にAirJapanの成田-ソウル(仁川)線1日1往復をそのままANAが運航することになれば、ANAとして路線の選択肢が充実します。Peach は羽田、関西、名古屋(中部)とソウルの仁川、金浦を結ぶ路線を持っており、ANA系列全体で1日11往復から13往復を運航します。

(参考)
 ANAホールディングス「2025年下期ANAグループ航空輸送事業計画を一部変更」(2025年8月19日プレスリリース)
 AirJapan「成田=シンガポール線、2025年11月20日より毎日運航へ!」(2025年9月4日プレスリリース)
 ANAホールディングス「ANAグループマルチブランド戦略の再構築について」(2025年10月30日プレスリリース)

(2025年11月17日)