東急大井町線 等々力駅 ー 和菓子処 八洲(やしま)

 東京都世田谷区の等々力(とどろき)駅。跨線橋が無く、電車が通り過ぎてから踏切を渡って外に出ます。東急大井町線で自由が丘駅と二子玉川駅の間には4駅ありますが、踏切式の駅が等々力駅を含めて3駅あります。踏切で待たされると電車に間に合わないこともありますが、階段はホームに上るぐらいで済むので、ある意味乗客にやさしい駅と言えるかもしれません。近くには東京都23区で唯一の渓谷である等々力渓谷公園があり、散策の拠点として地元では有名な場所でもあります。

 等々力渓谷とは反対側の北口を出て徒歩2分ぐらいにあったのが和菓子処 八洲です。八つの洲と書いて「やしま」と呼びます。

 ガラス戸におすすめ商品を手文字で書いた白い紙を貼り付けている、いかにも昔ながらの名店といった感じです。お店の入り口から見て右側にはおせんべいが並んでいます。日除けのカーテンで外から良く見えなかった左側にはショーケースがあって、その上のすぐ目に着く場所にあったのが「お赤飯」でした。ガラス戸の真ん中に貼り付けてあったのも「お赤飯」で、おすすめ商品とのこと。お店の人は「貼り付けたゴマの袋を外し、パックを逆さまにしてレンジで1分温めるとおいしいですよ」と説明してくれました。

 他にもおすすめ商品がないかを聞いてみたところ、勧められたのが「栗蒸し羊かん」と「栗薯蕷(じょうよ)まんじゅう」。どちらも季節の和菓子です。羊かんは栗の断面がはっきり見え、そそられます。まんじゅうは山芋が練り込まれた生地で包まれ、あんこの中に栗が一つまるごと入っています。どちらも甘すぎず、やさしい味わいで季節を感じることができました。

 そして、店頭に並んでいると、つい買ってしまうのがどら焼き。お店の名前をつけた「八洲のどら焼き」が、お赤飯の隣に並んでいましたので、こちらもおすすめの一つのようです。袋に説明書きがありました。小豆は備中大納言を使い、ていねいに炊き上げた自家製のあんこ。緒川村の奥久慈の卵をたっぷりと使用したしっとりとした生地。それを手包みした自慢のお菓子だと紹介しています。(緒川村はかつての住所で、現在は茨城県常陸大宮市の一部ということ)

 生地に黒糖を加えたどら焼きもあって、それぞれ一つずつ買い求めました。

(2025年11月13日)