アメリカで気象観測や天気予報などを担当するNOAA(アメリカ海洋大気庁、National Oceanic & Atmospheric Administration)は、今年から来年にかけてのハワイ州の雨季シーズン(2025年10月~2026年4月)について天候見通しを発表しました。
それによると、特にオアフ島を含むハワイ州北西部で、2026年初春にかけて平年より降水量が増える可能性が高いとしています。
海面水温が平年より低いラニャーニャ現象が9月に始まり、この状態が来年2026年1月から2月ごろまで続くと予想されていることが、今回の天候見通しの背景になっています。
一方、気温は平年を上回る可能性が高いとしています。
NOAAが発表したメディア向け公表文(Media Advisory)によると、ハワイでは1980年代以降、冬季に弱いラニーニャ現象が生じると、降水量が増える傾向があります。そのため、今年の雨季も広い範囲で大雨をもたらす可能性もあるとしています。
今年の乾季(2025年5月~9月)は降水量が少なく、ハワイ州全体で過去30年で2010年、2007年に次ぐ3番目に乾燥した季節となりました。予想通り雨季シーズンに降水量が増えた場合は、ハワイ州内の乾燥状況が改善される見込みです。
なお、ラニーニャ現象は来年2026年1月から2月ごろまで続き、その後は中立状態へ移行する予想で、弱いラニーニャ現象とされています。これが、中程度あるいは強い状態になった場合は、東~北東寄りから吹く貿易風の頻度が増加し、風上側の斜面に降雨が集中する影響で、全体では降水量が平年を下回る可能性もあるとしています。
NOAAは今回の発表の中で、大雨が発生した場合の注意点も付け加えています。
・道路に急流が発生した場合は自動車で走行しない。洪水や土砂崩れで道路が遮断されることもあるので、外出は中止、延期、あるいは予定自体を変更したほうがよい。
・川で洪水が発生した場合、水が引くまで待ち、無理に渡ろうとしない。
・雨季には雷の頻度も高くなります。雨が降っていなくても落雷することがあるため、雷の音や光に気がついたらすぐに屋内へ避難する。
――など災害時の注意点もあわせて発表されています。
(参考1)TABIJUMBI「主要観光地の気温と降水量」に掲載しているホノルルの2023年~2025年の月間平均気温と月間降水量合計の推移を、乾季(5月~9月)と雨季(10月~翌年4月)で色分けしました。平年は気象庁による1991年~2020年の30年間の平均です。


(参考2)TABIJUMBI「主要観光地の気温と降水量」のデータから、ホノルルの乾季と雨季の平均データを算出

※出典:気象庁(https://www.jma.go.jp/)「世界の天候」
アメリカ海洋大気庁(https://www.weather.gov)
※月間データを単純平均、単位:℃、mm
※網掛け 青―平年よりも降水量が少ない、赤―平年よりも降水量が多い
※今回のメディア向け公表文(Media Advisory)は、この記事の更新時点で、NOAAのNWS(アメリカ国立気象局、National Weather Service)のウェブサイト(https://www.weather.gov)で公表されています。「honolulu」で検索し、ニュースヘッドライン(News Headline)から閲覧できます。
(2025年11月11日)