いわて花巻空港 クマ出没で一時閉鎖(2025年11月12日)

 岩手県花巻市にあるいわて花巻空港では、昨日2025年11月12日(水)、クマが空港内に出没し、空港が一時閉鎖されました。この影響で、出発便2便が遅延しました。また、花巻空港へ向かう航空便の一部は空港閉鎖が解除されるまで出発を見合わせ、そのため花巻到着が大幅に遅れ、折り返し便にも影響が生じました。なお、欠航便はありませんでした。

12日午後1時すぎに空港内でクマを確認

 いわて花巻空港でクマが確認されたのは、12日午後1時過ぎ。クマ1頭が入り込んでいるのが確認され、午後1時10分に滑走路を閉鎖しました。その後、クマが空港の外へ移動したことが確認され、午後2時半に空港閉鎖が解除されました。閉鎖時間は1時間20分でした。

花巻空港は1日10~11往復、20~22便が発着

 花巻空港はJR東北本線の花巻駅から北東およそ5キロの位置にあり、アクセスバスを利用すると空港と花巻駅を約14分~17分で結んでいます。東北新幹線 新花巻駅とはアクセスバスで約11分~13分、岩手県の県庁所在地にある盛岡駅とはアクセスバスで約1時間の位置になります。

 国内線は札幌(新千歳)、名古屋(小牧)、大阪(伊丹)、福岡との4路線、計10往復、20便が毎日運航されています。新千歳線、伊丹線はJAL系列のJ-AIRが、小牧線、福岡線はフジドリームエアライン(FDA)が運航しています。

 国際線は台北の桃園国際空港とを結ぶ路線が週2日、水曜日と土曜日に1往復2便ずつ、タイガーエア台湾が運航しています。

 国内線、国際線あわせて1日に10~11往復、20~22便が空港を発着しています。

※緑の網掛けは空港が閉鎖された午後1時10分から午後2時半に離着陸する予定だった航空便

 空港閉鎖の時間帯に発着する予定の航空便は出発が2便、到着が1便の計3便でした。出発の2便は閉鎖解除まで出発を待たされました。テレビのニュース番組や新聞でも大阪(伊丹)行きと福岡行きの2便が遅延したと報じられています。伊丹行きがJ-AIR(JAL)のJL2182便、福岡行きがFDAのJH524便です。JALはウェブサイトで、1時間21分の遅延だったことを明らかにしています。また、FDAのウェブサイトには実際の発着時刻が掲載されており、福岡到着は1時間未満の遅れでした。

 到着便では、FDAの名古屋(小牧)発 花巻行きJH353便は到着予定時刻が閉鎖時間に入った午後1時20分でしたが、小牧空港を予定よりも早く出発していたため、実際の到着は午後1時10分でした。ちょうど空港が閉鎖された時刻です。滑走路から搭乗ゲートまでの移動時間を考えると、着陸とクマの発見がほぼ同じ時刻だった可能性があります。ただ、航空機がゲートに着いた時にはグランドスタッフは屋外に出られず、荷物の出し入れ作業や燃料補給は閉鎖解除を待たなければなりません。テレビのニュース番組では預けた荷物を手荷物受取所で待つ人たちが映されていました。この便を利用した乗客たちと思われます。

 閉鎖が解除された後に、遅延がさらに拡大した便もありました。FDAの福岡発JH525便は花巻空港の再開を待って出発したため、その時点で遅れは1時間を超えていました。花巻到着までやや取り戻したものの、それでも1時間を超える遅れでした。その機材は折り返し名古屋便として運航されるのですが、出発予定時刻になっても機体を用意できなかったことになります。遅れて到着してから30分弱の短い時間で準備し、折り返しましたが、目的地の名古屋到着は1時間弱の遅れでした。

(タイガーエア台湾の台北・桃園国際空港行き IT259便は、ウェブサイトの「フライト状況」ページで「遅延」となっています。その理由は記載されていませんが、花巻空港で他の遅延便の影響を受けた可能性を否定できないため、念のため、この一覧表に加えました)

 今年は6月にもクマの出没によって空港が閉鎖されたことがありました。

 6月26日、山形空港にクマが現われたため空港が閉鎖されました。草むらが多い空港敷地内のどこにクマがいるのかを確認できなくなり、閉鎖解除が翌日まで持ち込されました。この時は欠航便があったほか、山形空港に向かっていた航空便が出発地に戻ったり、近くの福島空港へ行き先を変更するなどの対応を強いられました。

  → TABIJUMBI「山形空港ではクマが出没し10便が欠航(2025年6月26日)」

 日本の広い地域でクマ出没が相次いでいます。空港は長く広い敷地が必要で、新しく建設する場合、山林に近い場所に建設されることがあります。自然環境の中に作られるわけで、その場所がクマの生存エリアに近いとも考えられます。今後も空港やその周辺にクマが出没するかが心配されます。

(2025年11月13日)